清田中央地区で個別相談会 札幌市の地震対策工事に住民側はほぼ同意
清田中央地区の地震災害防止工事について、札幌市は12月13日(日)と15日(火)、清田中央まちづくりセンターで個別相談会を開催しました。11世帯の方が相談に訪れ、地盤や工事方法などについて市の担当者から話を聞きました。
札幌市は、コロナの影響で、里塚地区や美しが丘地区で行ったような住民説明会が開催できないため、2018年9月の胆振東部地震で家屋損壊と宅地の変形等の被害が集中発生した清田7条2丁目、同3丁目、清田6条3丁目界隈の約600戸に、被災メカニズムと対策工法を記したチラシを12月に配布しました。
さらに、個別相談会を設けて、住民説明会の代わりとしました。
これまでのところ特段の反対意見はなく、市としては2021年2月の清田中央地区町内会連合会の役員会の場で、個別相談会と対策工事に向けた報告を行い、住民側の同意を得る形を取る段取りです。
胆振東部地震における清田中央地区の被災は、昔の谷や川を埋めた「谷埋め盛土」部分で被害が集中しました。里塚や美しが丘と同じ構図です。
市が解析した被災メカニズムは、①2度~5度の高低差がある傾斜地であること②盛土が火山灰質の緩い地層であること③旧沢地形のため、地下水が集まりやすく、地下水位が高いこと―という3つの複合要因により、地滑りが発生したというものです。
そこで、市は災害防止工事を行う必要があると判断し、区域内の地下水位を下げる「地下水位低下工法」という工事を行うことにしました。これは、現在、美しが丘地区で行っている工事と同じ工事です。
具体的には、区域内の道路下に「有孔管」という特殊な管(細かい穴のあいた管)を埋め、盛土部分の地下水を集め、清田川に排水する仕組みを造る工事です。これにより、地下水位を下げるというものです。
市は2021年度に現地測量と詳細設計を行い、2022年度に実際に工事に着手します。工事は2023年度までかかる可能性があるそうです。
清田中央地区の清田7条2丁目、同3丁目、清田6条3丁目界隈は、1968年(昭和43年)の十勝沖地震、2003年の十勝沖地震、そして2018年の胆振東部地震と、過去50年間で3回も繰り返し宅地や家屋の損壊が発生しています。市の対策工事が期待されます。
「ひろまある清田」より転載